ベトナムってどんな国?知っておきたい基本情報

ベトナムは近隣の中国、カンボジアそして植民地時代のフランスなどの国々からの影響を受けながら、独自の伝統文化や食文化を育んできました。

この記事では、ベトナムの概要・食文化・言語・伝統工芸・文化についての大枠をお伝えします。

国の概要

この章では、ベトナムの概要をお伝えします。

  • 名称:(日本語)ベトナム社会主義共和国
  • (英語)Socialist Republic of Vietnam
  • (ベトナム語)Cộng hòa xã hội chủ nghĩa Việt Nam 
  • 首都:ハノイ
  • 面積:329,241㎢(日本の約90%)
  • 人口:約9,762万人(2020年、越統計総局)
  • 言語:ベトナム語
  • 宗教:大乗仏教、カトリック、カオダイ教他
  • 民族:キン族(越人)約86%、他に53の少数民族
  • 通貨:単位はベトナムドン(Dong/đ)。19,000ドン= 日本円でおよそ100円(2022年3月現在)

ベトナムの豊かな食文化

東南アジアの料理というと、ハーブ類やココナッツミルクを多用したものを想像します。

ところがベトナム料理は、意外にも日本の家庭料理ととてもよく似ています。

主食は「米」。

米の種類は方法で、料理メニューによって品種を使い分けることも。

モチ米もよく食べられていて、日本のモチ米よりもサラッとしていて歯切れがいいのが特徴です。

米の加工品の種類も多く、わたしたち日本人にとって最も身近なベトナム料理「バインミー(ベトナムサンドイッチ)」やフォーの麺も、お米を主原料にしています。

そのほかビーフン、ライスペーパー、ベトナム風お好み焼き「バインセオ」、ケーキ、せんべい、スナック類、ぜんざいなど……

お米を使ったメニューには、驚くほどのバリエーションがあります。

ベトナムは南北に長い地形をしていて三方を海に囲まれているため、食材の宝庫。

さらに歴史的に関係深い中国やフランスの影響を受けたてきたことによって、ベトナムの食文化がより魅力的なものに発展してきました。

朝食は基本的に外食。とくにベトナム南部では外食文化が根付いています。麺類やおかゆ、バインミーなどを食べることが多いのも特徴のひとつ。

そしてベトナムは、言わずと知れた世界第二位のコーヒー生産国。ベトナム独特のアルミ製コーヒーフィルターを使った淹れ方は、フランスからの影響を受けていると言われています

平たく言えば、

「米をよく使い、ヌォックマム(魚醤)を多用し、高級食材を使わない」


のがベトナム料理の特徴と言えます。

ベトナムで使われる言語は「ベトナム語」

ベトナムで使われている言語は「ベトナム語」。

ベトナム語は「オーストロアジア語族」の一系統で、アルファベットの上に声調記号をつけた文字で表記します。

日本と同じように、中国の漢字文化に大きな影響を受けています。かつてフランス領インドシナ時代に入る前までは、「チュノム」と呼ばれる独自の漢字が使われていました。

現在ではフランス語や中国語は、一般的に通じません。

また、ベトナム語は数ある言語の中でも最も発音が難しいと言われています。

同じスペルの言葉でも発音が6パターンもあり、正確に発音しなければ全く通じません。

また、正確に発音しないと別の意味になってしまうこともあります。

たとえば、日本語でも同じ「あめ」でも「雨」や「飴」がありますが、

「はし」でもイントネーションを変えて「橋」・「箸」・「端」と使い分けます。

日本では地方によって方言で発音が変わることもありますね。

文章の前後から「あめ」「はし」の意味することを推測します。

ベトナム語もこの点では同じなので、ベトナム語学習者にとってはかなりハードルが高い言語です。

伝統文化・工芸・芸能

中国文化の影響が強く、モラルや行動様式には儒教や道教・仏教・暦が深く関わっています。

日本の茶人に愛された安南(バッチャン)焼の流れをくむ陶磁器や漆芸、木彫、石彫、銀細工、版画、書道、刺繍のほか、少数民族による鮮やかな織物など

芸能では

  • フエ宮廷音楽(雅楽)「Nhã nhạc(ニャーニャック)」
  • 水上人形劇「Múa rối nước」
  • ベトナム版歌舞伎「Ca nhạc(カーニャック)」

など。

さいごに

この記事では、ベトナムの概要・食文化・言語・文化についての大枠をお伝えしました。
それぞれの詳細については、文中のリンクからご確認いただけます。